山口県北部 萩エリア

兼石 智章 Kaneishi Tomoaki

小さな空間に大きな夢を
インテリア感覚の新置物


生年月日1971年11月25日
出身地山口県周南市
所属萩陶芸家協会正会員
窯元名城山窯
開窯年1967年
所在地〒758-0057 山口県萩市堀内1区42-5(Googleマップ
電 話0838-25-1666
交 通萩史料館そば
駐車場
展示場


 小学校入学まえ脳腫瘍に罹り、放射線治療をしたが軽い左半身麻痺が残りました。防府養護学校のクラブで「土に触れる面白さ」を味わい、城山窯の金子信彦に「手に職を持ちたい」という思いを飛び込みでぶっつけました。以来十六年、現在ではハンディを乗り越えて、窯のスタッフのひとりとして作陶生活を続けています。「自分で選んだ道だから、人一倍努力したい」
 朝から夕方までは、ふだん使いの食器などをつくります。「入った当初は何もわからず夢中でした。ものがつくれるようになって、萩焼のよさや魅力がわかってきました。つい最近のことです」。それからは、オリジナル作品にも取り組んでいます。
 作品は河童の箸置きからはじまって、十二支の動物、招き猫といった縁起ものの置物類にまで広がっていきました。釉薬は使わず、もっぱら焼きしめによる陶肌の素朴さを追求。「自分らしさを出したいと思っているのですが」
 今は、高さ5センチぐらいの子どもたちの像に挑戦。そのいくつかを並べてひとつの作品に仕上げます。それぞれに違った子どもたちの表情と所作がほどよい空間におさめられ、見る人をつい微笑ませる雰囲気が漂います。ものが小さいだけに細工が難しい。「ヘラ使いがうまくいかない」、これから何百体、何千体も手がけ、「子どもの心に帰って、楽しみながら指が動く心境になるまで」と長い目標を定めています。
 かつて、萩焼の歴史で置物が盛んにつくられた時代がありました。この作家には与えられた境遇を真正面から見据えて、新しい萩焼の置物に独自の世界を展開しようとするたくましさとやさしさが感じられました。