山口県北部 萩エリア

野坂 康起 Nosaka Kohki

萩伊羅保を確立した陶工気質
強靭なフォルムと質感が特長


生年月日1931年
出身地三重県志摩郡
所属日本工芸会正会員
萩陶芸家協会正会員
窯元名野坂江月窯
開窯年1937年
受賞歴
  • 1991年山口県知事選奨 受賞
  • 1997年第20回日本工芸会 山口支部展記念大賞 受賞
  • 2002年山口県指定無形文化財萩焼保持者認定
  • 2005年中国文化賞受賞
  • 2008年旭日双光章受章
所在地〒758-0063 山口県萩市山田4319(Googleマップ
電 話0838-22-0879
交 通JR玉江駅から萩駅方面徒歩10分
バス停 楽々園前 徒歩1分
駐車場10台
展示場

H P

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 一九四七年創窯の江月窯を継ぐために萩の地を踏んだのは一九五八年。三重県の窯業研修所、美濃の窯元などで陶芸を学び、その間に伊賀の日根野作三、美濃の荒川豊蔵に師事。小谷陶磁研究所に移り、日展初入選したのちの「海と山が美しい初めての土地での新しい出発」になりました。
 「職業としての厳粛な出合いでした」という萩焼に対しての印象は「あいまいさが効かない奥深さ、それが強さになる」。萩焼の茶陶に新境地を開く一方で、岐阜時代から手がけていた高麗茶碗の伝統的技法のひとつであり、当時の萩では傍流と見なされていた伊羅保釉に磨きをかけることになります。茶陶から壺、大鉢、大皿へと広がる作品は、「自由に表現してもいい」という信条を反映するかのように、意志の強さを表す強靭なフォルムと質感に特長があります。イメージとして「土のもつ材質感と動きに加えて、焼き物は、収縮する為に弱く、手を差しのべなければならない。又理想として窪みがあって、なんとか飲めればどんな茶碗でもいいのではないか」。長年の作陶生活から会得した奔放な言葉の一つひとつは、鑑賞する者に新鮮な視界を開いてくれるかのようです。萩焼の重い伝統を敢然と継承し、萩伊羅保を確立できたのは、「先代の背中を見て学んだ職人気質がそうさせたのかもしれませんね。陶芸のことでは、よく喧嘩もしましたが」。往時を述壊する柔和な表情のなかにも、作品に表象される意志の強さを感じさせます。
 「わたしは職を覚えることに一途。作家になることは考えもつかなかった。不器用だから続けてこられた」という姿勢を貫いて五十余年。二〇〇二年には山口県指定の無形文化財萩焼保持者に認定されました。